XBRLの仕様書やタクソノミを閲覧・ダウンロードできるサイトの紹介です。
XBRLの構造をファイルから読み解くのは容易ではなかったです。
XBRLは仕様書や技術資料が公開されていますので、それらの場所を紹介します。
わからない用語も、XBRLの解説資料(仕様書)を検索すれば、説明が見つかりました。
紹介する仕様書は、本家XBRL、JIS規格 XBRL、EDINET XBRL、TDnet XBRL、EDGAR XBRLです。
トップページから資料まで、どのように進めばいいのかも書きました。
一応、検索エンジンでも仕様書は見つかったのですが、「ほかの年度のXBRL資料はどこにあるのか?」ということもありましたので、あらためて1から各サイトを調べました。
いずれも、XBRL解析やXBRL分析ソフトを開発するときに、役に立ちました。
まずは、JIS規格にある日本語翻訳版のXBRL仕様書をチェックしてみるのがいいと思います。閲覧に「日本産業標準調査会」への「新規の利用者登録」が必要になりましたが、登録してまで見る必要はないと思います。本家の資料を見れば大丈夫です。
本家 XBRLの仕様書
本家XBRLの仕様書(英語)は、以下の「XBRL Specification」で公開されています。
「https://www.xbrl.org/」→ 「The Standard」→「XBRL Specification sub-site」
→「XBRL Specifications」→「XBRL」→「XBRL 2.1」→「XBRL Specification」
例えば、EDINETの名称リンクファイル(*-label.xml, *_lab.xml)に登場するリンクベース(linkbase)、ラベルリンク(labelLink)、ラベルアーク(labelArc)といった要素(element)の説明なども、上記「XBRL Specification」のページに載っています。
まさにXBRLの構造が載っているサイトです。
JIS規格 XBRLの仕様書 (JISX7206)
【日本語の技術資料】です。XBRLの仕様書は、日本語に翻訳されたものが、JIS規格(ジスきかく、日本産業規格、旧日本工業規格)として登録されていました。
日本語版は、「JISC 日本工業標準調査会」のサイト上で、全文を閲覧することができました。
あくまで翻訳なので、「日本産業標準調査会」への「新規の利用者登録」してまで、閲覧する必要はないと思います。本家のほうを見れば大丈夫です。
「JISC 日本工業標準調査会」→「データベース検索」→「JIS検索」→「日本工業標準調査会:データベース検索-JIS検索」のページで、『JISX7206』を検索すると、出てきました。
【日本工業規格】
規格番号:JISX7206
規格名称:拡張可能な事業報告言語(XBRL)2.1
閲覧した文章のまえがきによると、『Extensible Business Reporting Language (XBRL) 2.1 Specification の翻訳(参考)』とのことでした。
簡潔に言うと、XBRL2.1の仕様書の日本語版です。
EDINET XBRLの仕様書
【日本語の技術資料】です。仕様書は「操作ガイド」のページにまとまっていました。
「EDINET トップページ」→「操作ガイド等」
EDINETの使い方やタクソノミの使い方もここに詳しく載っていました。
たくさんの資料がPDFになっていますが、どれに何が書いてあるかは「EDINET概要書」の「マニュアル体系」の章に載っています。
よく見る資料を挙げておきます。このような資料の存在を知って、だいぶプログラムがしやすくなりました。
ちなみに、よく登場する (OxfordLearnersDictionaries) タクソノミ (taxonomy) は、細かく分けて整理していく、みたいなイメージの意味らしいです。
IFRS(アイファス、アイフィス、イファース)のタクソノミについても情報がありました。
- EDINET総合ガイドライン
- EDINET概要書(各資料の概要が載ってる)
- 提出書類ファイル仕様書(フォルダ構成・ファイル名の定義)
- XBRL関連技術資料
- フレームワーク設計書(要素の参照関係などの概要)
- EDINETタクソノミの設定規約書(jppfs, CurrentYearなどの全種類の定義)
- 20XX年度版EDINETタクソノミ
- EDINETタクソノミの概要説明(追加・廃止された内容が載ってる)
- 提出者別タクソノミ作成ガイドライン(XBRLの構造が簡潔に載ってる)
- 報告書インスタンス作成ガイドライン(XBRLのどこで何を設定してるかを解説)
- 報告項目及び勘定科目の取扱いに関するガイドライン(勘定科目のQ&A)
- タクソノミ要素リスト[xls](決算書の見出しの名前などの一覧)
- 勘定科目リスト[xls](勘定科目タグの名前の一覧)
- EDINETタクソノミ本体[zip](XBRLが参照しているファイル群)
- IFRSタクソノミ20XX対応
- (IFRS資料のラインナップは、通常のタクソノミとほぼ同じです)
これらの資料には、XBRLの構造やファイルの参照関係などが載っていますので、それらの仕様に沿ってXBRLを構成するファイルを読み込んでいくことになります。
EDINETタクソノミ本体は、例えば勘定科目のタグ名から勘定科目名を求める時に使います。この中に標準の名前がXMLで入っています。エクセル形式のタクソノミ要素リストと勘定科目リストも、これらをもとに作成したものとのことです。
EDINETタクソノミ本体の中のXMLは、XBRLの中に載ってるURLからでも読み込むことができます。実際には、1度アクセスしたらローカルに保存しておく(キャッシュしておく)ような使い方になります。
すべての年度のzipを取得してローカルに展開しておくのも良いと思います。XBRLの構造を調べるときに便利です。
EDINET タクソノミのフォルダ構成とURLの対応については、「提出者別タクソノミ作成ガイドライン(図入りで分かりやすい)」と「EDINETタクソノミの設定規約書」に載っていました。PDFを「エントリーポイント」という言葉で検索すると見つかります。
TDnet XBRL(東証 XBRL)の仕様書
【日本語の技術資料】です。仕様書は「XBRLデータの仕様」のページにまとまっていました。
「日本取引所グループ(東証)」→「株式・ETF・REIT等」→「上場制度(内国株)」→「会社情報の適時開示制度」→「適時開示情報のXBRL化」→「XBRLデータの仕様」
適時開示情報のXBRLを読み込みたいときは、ここにある資料が参考になりました。
決算短信のXBRLや業績予想の修正のXBRLは、情報の速さで少しだけメリットがありました。
EDGAR XBRLの仕様書
米国のEDGAR XBRLの仕様書(英語)は、以下のページにありました。
「米国証券取引委員会 トップページ」→「FILINGS」→「Filings & Forms」→「Information for EDGAR Filers」→「Everything EDGAR」→「Technical Specifications」
EDGAR XBRLのタクソノミは、「EDGAR Standard Taxonomies」にあります。
上記、テクニカル・スペスィフィケーションス(Technical Specifications)に、タクソノミへのリンクがありました。
「Technical Specifications」→「EDGAR Standard Taxonomies」
謝辞
仕様書や規格の作成にかかわったすべての方々に感謝いたします。