トヨタ自動車の決算をグラフにして分析しました。売上20兆円を超える大きな企業ですが、実際に業績の推移を見ると、今後も成長を続けていくような、そんな予感を与えてくれる感じがしました。
グラフに関して文章はほとんどないので、サクッとチェックできます。
※ グラフは以下の決算分析システムとPDFの手入力を組み合わせて作っています。
やればできる!XBRLで決算分析システムを作るにあたって難しかったところ妥協したところ
グラフの見かた
注目ポイント
トヨタ自動車はリーマン・ショック(2008年9月)と東日本大震災(2011年3月)の影響を受けて売上と利益が減りました。そして2012年6月から再び売上と利益を伸ばしています。
それぞれの特徴はグラフで言うとQ1 2009年6月、Q1 2011年6月、Q1 2012年6月のあたりに表れています。
数字の出典
有価証券報告書の数字を使っています。利益率の値や四半期ごとの金額など、計算で求めた数字を使ってグラフを描いているところもあります。
訂正有価証券報告書の内容は反映しておりません。グラフへの感想や説明は、数字訂正前のグラフを見てつけています。
重要と思われたところは、ぜひEDINETや企業のウェブページを参照して、誤りや訂正がないか確認することをお勧めします。
トヨタ自動車は訂正有価証券報告書を出しています。
一般に、新しい有価証券報告書に載っている過去の数字は訂正済みなので、それとグラフを見比べると一致しない場合があります。
これらのことを念頭においてご覧ください。
略称など
横軸の日付は、各決算の会計期間の終了日です。Q1、Q2、Q3は、それぞれ第1四半期、第2四半期、第3四半期です。FYは通期です。
凡例の名前は、スペースの都合で短くしている場合があります。
非連結とは、会社本体のことです。子会社を含まない状態です。ほかにも「個別」とか「単体」とか「本体」という呼び方があります。
特に断りがなければ、連結の金額です。
業績の推移
売上と利益(同スケール表示)
純利益は「当社株主に帰属する四半期(当期)純利益」です。
売上と利益
リーマン・ショック(2008年9月)と東日本大震災(2011年3月)の影響で、特に利益が落ち込んでいます。そのあと再び利益を伸ばし、2013年から安定して利益を上げています。
売上高利益率
純利益率=(純利益/売上高)×100 [%]
四半期ごとの売上と利益
四半期ごとで見ると、売上と利益はともに増加傾向のようです。
売上高にリーマン・ショックと東日本大震災の影響が表れています。
キャッシュフロー
投資CFが大きいです。営業CFと同じくらいあります。投資CFが特に大きかった FY 2014年3月は、財務CFのプラスで現金のバランスをとっています。
現金及び現金同等物は2013年から再び増加しています。
利益と営業キャッシュフロー
一般に、営業CFが利益を上回っていれば良いと見るようです。
これは営業利益で見た場合ですが、そのようになっています。
資産と株主資本比率
一般に、株主資本比率は30%を上回っていれば良いと見るようです。
トヨタ自動車は34%くらいです。リーマン・ショックでも下回っていないです。
純資産と株主資本利益率
株主資本利益率は2013年まで上昇して、その後は横ばいです。
流動資産と流動比率
流動資産は1年以内に現金で回収される資産です。
流動負債は1年以内に現金で支払う負債です。
株主資本と四半期ごとの利益
それぞれの剰余金は、準備金なども含めた合計金額です。
株主資本と利益 (非連結)
非連結の純利益が2013年から大きくなって、非連結の利益剰余金を増やしています。
配当総額と配当性向
配当性向がマイナスになっているのは純利益がマイナスであったためです。グラフから除いたほうが良いのかも知れませんが、作ってしまったのでそのまま載せておきます。
配当総額と配当性向 (非連結)
2013年以降は100%を下回って40%付近で推移しており、持続可能な配当性向になっています。
従業員数と平均臨時雇用者数
従業員数は2012年から増加傾向です。
発行済株式数と大株主所有割合
トヨタ自動車は自己株式の取得と消却を2014年、2015年、2016年に行っており、発行済株式数を減らしています。
大株主の所有割合は39%付近で推移しているようです。
まとめ
2013年に向かって売上と利益を回復させているところに、トヨタ自動車の力強さを感じました。また、売上20兆円を超える大きな企業でも、さらにさらに大きく発展する可能性があるのだと、グラフを作ってみて感じました。
ご覧くださりありがとうございます