VirtualBox にインストールした Linux のデスクトップを使っていて、マウスホイールのスクロールが不安定な場合がありました。
意図した通りスクロールしない、ホイールが空回りしているような感じがする。
その解決方法です。
バーチャルボックスの『マウス統合』を切ったら、改善しました。
『マウス統合』は、必要な時だけONにするようにしました。
以上です。
解決方法(マウス統合を切る)
VirtualBoxのメニューバーで、『マウス統合 (Mouse Integration)』をオフにします。
これで、マウスホイールが空回りしているような感じがなくなりました。
マウス統合がONの状態(日本語版と英語版)
↓↓↓
切った状態
『マウス統合』は、必要な時だけONにするようにしました。
Linux MintのGUIでマウス統合を無効化する方法
『マウス統合』を切る方法ですが、Linux Mint の GUI からでも似たような設定ができました。
ゲストOSの中だけでON/OFFできるところが便利です。
Linux Mint の GUI から、マウス統合を無効化する手順です。
- Mintメニュー(スタートメニュー)⇒ 設定 (Settings) ⇒ マウスとタッチパッド (Mouse and Touchpad) を開く。
- 『デバイス:』で『VirtualBox mouse Integration』を選ぶ。
- 『このデバイスを有効にする (Enable this device)』のチェックをはずす。
チェックを外すと、マウスに関して、Guest Additions をインストールする前のような状態になりました。
この方法でも、マウスホイールでのスクロールが改善しました。
マウス統合をON/OFFするショートカットの作り方
ショートカットの作り方です。GUIで行っていたことを、コマンドで行います。
マウス統合の ON/OFF ですが、xinput というコマンドで実現します。
- タスクバー(パネル)に『ランチャー』を設置します。
- ランチャーのプロパティに、『xinput enable』と『xinput disable』のコマンドを追加します。
以上です。
タスクバー(パネル)にショートカットを作る手順
パネルの上で右クリックして、『+新しいアイテムの追加(N)…』を押す。
『ランチャー』を選んで『追加(A)』を押す。
パネルに追加されたアイコンを右クリックして、『プロパティ(P)』を押す。
『新しいアイテムを作成します』のボタンをクリック!
マウス統合を『ON』にするコマンドを追加
マウス統合をONにするコマンドです。
xinput enable "VirtualBox mouse integration"
たとえば、以下のように入力します。そして『作成(R)』⇒『閉じる(C)』。
名前(N):em
コメント(O):Enable Mouse integration マウス統合 有効化
コマンド(A):xinput enable “VirtualBox mouse integration”
アイコン(I):『アイコンはありません』を押すと、選択画面が出ます。
アイコンの代わりに、名前(N)で入力した名前を表示する方法もあります。
アイコンの代わりにラベルを表示する設定
ランチャーのプロパティで、『拡張』タブを押す。
『アイコンの代わりにラベルを表示する(L)』にチェックする。
ショートカットのアイコンが、『名前(N):』で入力した名前(ラベル)に変わります。
あとは、この『em』を押すと、マウス統合が有効になります。
『dm』のほうは、以下のように追加します。
- パネルを右クリックして、ランチャーを追加。
- ランチャーのプロパティに、マウス統合を『OFF』にするコマンドを追加。
- 『アイコンの代わりにラベルを表示する(L)』にチェック。
以上です。
これで、マウス統合の『有効化』と『無効化』の2つのボタンができました。
マウス統合を『OFF』にするコマンドを追加
マウス統合をOFFにするコマンドです。
xinput disable "VirtualBox mouse integration"
たとえば、以下のように入力します。そして『作成(R)』⇒『閉じる(C)』。
名前(N):dm
コメント(O):Disable Mouse integration マウス統合 無効化
コマンド(A):xinput disable “VirtualBox mouse integration”
アイコン(I):『アイコンはありません』を押すと、選択画面が出ます。
これで、以下のようになります。
コマンドで無効化した時の『マウス統合』のメニュー表示
Linux Mint の GUI や xinput のコマンドで、マウス統合を無効化した場合です。
Virtual Box のメニュー表示は、以下のようになりました。
『マウス統合』がグレーアウトしています。
再び Linux Mint の GUI や xinput のコマンドでマウス統合を有効にすると、グレーアウトが解除されました。
xinput でリストを表示するコマンド
xinput の enable/disable で使える名前を取得するコマンドです。
xinput list
『VirtualBox mouse integration』の名前は、ここで表示されたものを使いました。
ところで、id の数字でも xinput enable/disable の設定はできました。
しかしながら、名前のほうが確実そうだったので、名前で指定しました。
マウスホイールのスクロールがおかしい
マウスホイールに関して、困っていた不具合の内容です。
『Chrome、Firefox、デスクトップの各種メニューなど』で、マウスホイールでのスクロールがぎこちない、ちょっとしか動かない、不安定、スクロールしたり・しなかったりする。
とにかく、いろいろなところで、スクロールがなめらかにできなくて、不便に思っていました。
たとえるなら、マウスホイールのスクロールイベントを取りこぼしているような感じ。
ホイールをカリカリしてるのに、意図した通りにスクロールしてくれない。
空回りしている感じがする。
解決方法ですが、『マウス統合 (Mouse Integration)』をオフにすることで、意図した通りにスクロールするようになりました。
マウス統合を切るデメリット
バーチャルボックスのメニュー操作が、ちょっと不便になりました。
バーチャルボックスを操作するために、『ホストキー(右Ctrlキー)』を押す必要が出てきました。
『マウス統合』を切ると、マウス操作だけではメニューが出せなくなるんですね。
なので、必要な時だけ『マウス統合』をオンにしています。
普段は『マウス統合』を切っています。
ちょっとだけ不便です。
ですが、それでスクロールがなめらかになるならOKです。
一応の回避方法が見つかって良かったです。
また、タスクバー(パネル)に『マウス統合を ON/OFF するショートカット』を設置したところ、かなり便利になりました。
GUI で切り替えていた『VirtualBox mouse Integration』の ON/OFF が、1クリックでできるようになりました。
バーチャルボックスのメニューを出す方法(2通り)
『マウス統合』を切った状態で、バーチャルボックスのメニューを出す方法(2通り)です。
- いったん『ホストキー(右Ctrlキー)』を押してから、ミニツールバーの出るところをクリック。
- 『ホストキー+ホーム(右Ctrl+Home)』を押す。
これで、VirtualBoxのメニューにアクセスすることができました。
Host key+ Home でメニューが出せる
マウス統合の ON/OFF は、『メニュー ⇒ 入力 ⇒ マウス統合』で切り替えます。
VitrualBoxのマニュアル(公式)
ホストキー(Host key)を使った操作方法が載っている場所です。
『Oracle VM VirtualBox ドキュメント』にあるユーザー・マニュアルに載っていました。
『Host Key Customization(ホストキーカスタマイゼーション)』というところに書かれていました。
『Host key + Home』の場合ですが、『Action: PopupMenu (Show the popup menu in full screen mode and seamless mode)』のように説明されていました。
バージョン(VirtualBox、ホストOS、ゲストOS)
マウスホイールでなめらかにスクロールできない現象ですが、自分の場合は VirtualBox にインストールした Linux Mint(リナックスミント)で発生していました。
本記事を書いた時のバージョンです。
- VirtualBox:6.0.10 r132072 (Qt5.6.2)
- ホストOS:Windows 7 64bit
- ゲストOS:Linux Mint (linuxmint-19.2-xfce-64bit.iso)
ほかにも、VirtualBox 5.2 に Linux Mint 17.3 をインストールした場合で、同じ現象が発生していました。